どんな薬局にしたいのか、どのような会社にしていきたいのか。
事業を始めるにあたって理念を作ったほうがいいとはもはや原理原則のように幅広く知られています。そこで理念に関する本の紹介、といきたいところですが、理念を作るにあたって表現にはとことんこだわったほうがいいと考えています。
なので、今回は言葉の力を存分に感じられる『本日は、お日柄もよく』を選びました。
幼馴染の結婚式である祝辞に魅せられてスピーチライターの世界に飛び込んでいく主人公こと葉。自身も友人の結婚式でスピーチを披露し、それを皮切りに部署異動、さらには選挙対策コンサルタントまで任されます。
スピーチと企業理念。文字量もまったく異なりますが、想いや考えを表明する点は共通しているのではないでしょうか。しっかりと練られた理念は飾りにならず、きっと何度も伝えるのに役立つものとなるはずです。
ころころ変えるわけにもいかないからこそ自分の納得いくものを作り上げる、そのためにもまず言葉の持つ力に触れてもらえたらと思います。
お仕事小説としてのストーリーも最高なので「小説なんかしばらく読んでいないよ」という方も、食わず嫌いせずにぜひ手に取っていただきたいです。