独立に必要な資金 BASIC
M&Aする場合の資金目安は?
薬局をM&Aで買収する際、その事業(薬局)の買収に当たって適正価値が存在します。
計算式は、以下のようになります。(ただしこの計算が当てはまらない場合もあります)
薬局の価値 =『EBITDA※×3年分』+『商品在庫』+『固定資産』
※EBITDAとは、『営業利益+減価償却費』の事を指します。
今後3年で得られたであろう利益と、今ある資産を支払う必要がある、という事になります。逆に赤字店舗であれば営業権は限りなく0円に近づきます。
それを踏まえ、概ね薬局買収する場合の目安金額は以下のようになります。
項目 | 目安金額 |
---|---|
営業権(のれん代) | 0〜1000万円 |
商品(薬)在庫 | 100〜500万円 |
固定資産 | 0〜500万円 |
ご紹介手数料 | 500〜1000万円 |
計 | 600〜3000万円 |
運営を開始するのに必要な資金目安は?
- 保険料収入(レセプト)は請求後2カ月後に入金され、それまでは自身で賄う必要がある
- 薬剤師は雇用せず、事務員さん一人を雇用し、一人薬剤師として自分が勤務する
- 売り上げを400万円/月、薬剤比率70%、技術料30%として計算
上記を前提に開局後の2カ月間にかかる運営費用目安を以下に算出しました。
※あくまで目安のため全ての方に当てはまるものではありません。
項目 | 目安金額(1ヶ月目) | 2ヶ月目 | 2ヶ月累計 |
---|---|---|---|
生活費 | 20万円/月 | 20万円/月 | 40万円 |
薬剤費 | 280万円/月 | 280万円/月 | 560万円 |
給与手当(事務) | 20万円/月 | 20万円/月 | 40万円 |
法定福利費 | 3万円/月 | 3万円/月 | 6万円 |
交通費 | 2万円/月 | 2万円/月 | 4万円 |
消耗品費 | 2万円/月 | 2万円/月 | 4万円 |
リース代(分包機等) | 5万円/月 | 5万円/月 | 10万円 |
水道光熱費 | 1万円/月 | 1万円/月 | 2万円 |
地代家賃 | 15万円/月 | 15万円/月 | 30万円 |
賃貸物件保証金 | 100万円(初回のみ) | 100万円 | |
計 | 448万円 | 348万円 | 796万円 |
案件の大小により幅はありますが、M&Aでの買収分を合算すると最低限1000~3800万円前後が、独立開局し診療報酬を受け取るまでに必要な資金となります。
借り入れについて
日本政策金融公庫の場合CASE
担保の有無 | 金利 |
---|---|
担保あり | 1.50%程度 |
担保なし | 2.20%程度 |
- 年齢や資産状況、タイミングにより変動しますので、参考程度にお捉えください。
- 必ずしも担保・保証人は必要ではありません。
- 融資が下りるまで、約1カ月を要します。
- 自己資金は、借入額の約10%を求められます。
- 事業譲渡の契約書や、創業計画書などの提出が求められます。
2000万円を各金利で借り入れし、5年、または10年で返済した際のシミュレーションSIMULATION
返済期間 | 月額返済額 | 年間返済額 | 支払い総額 | 金利総額 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2.00% | 3.00% | 2.00% | 3.00% | 2.00% | 3.00% | 2.00% | 3.00% | |
10年 | 184,026 | 193,121 | 2,208,312 | 2,317,452 | 22,083,120 | 23,174,520 | 2,083,120 | 3,174,520 |
5年 | 350,555 | 359,373 | 4,206,660 | 4,312,476 | 21,033,300 | 21,562,380 | 1,033,300 | 1,562,380 |